防災学習アーカイブ 基礎編

ハザードマップの読み方

ハザードマップは予言ではなく、「起こりうること」の地図です。
大切なのは、地図の色そのものより——あなたの家が何色の上に建っているかを、 いま知っておくこと。読み方さえ分かれば、5分で確認できます。

1. 青や黄色の意味 — 「浸水の深さ」

洪水のハザードマップで塗られている色は、その場所が何メートル浸かるかを表します。 色が濃いほど深い、と覚えてください。

0.5m未満 大人のひざ下まで
0.5〜3.0m 1階が浸かる
3.0〜5.0m 2階が浸かる
5.0〜10.0m 3階が浸かる
10.0〜20.0m ビルの高さまで
20.0m以上 想定される最大

※ 実際の配色は自治体によって多少異なります。必ず地図に付いている凡例(はんれい)を確認してください。

2. その深さで、何が起きるのか

「50cm」と聞いても、危険はなかなか実感できません。動かして確かめてみてください。

0m2.5m5m

スライダーを動かすと、浸水の深さごとに何が起きるかが表示されます。

30cm 大人でも歩くのが難しくなる。マンホールや側溝のふたが外れていても見えない。
50cm 車のドアが開かなくなり、エンジンも止まる。車での避難は危険。
3m 1階が完全に水没。2階へ上がっても、水はまだ上がってくる。
⚠ いちばん多い誤解

「歩いて逃げられるだろう」——浸水した水は濁っていて、足元がまったく見えません。 ふたの外れたマンホールや側溝に落ちる事故が、毎年起きています。
暗くなってからの避難は、それだけで危険です。だから「早めに」と言われます。

3. 黄色と赤の違い — 土砂災害の区域

山や崖のそばでは、色の意味が洪水とは変わります。この2つの違いが、最も誤解されています。

土砂災害警戒区域(イエローゾーン)

土砂災害が発生した場合に、住民の生命・身体に危害が生じるおそれがある区域。避難の準備と、早めの立ち退き避難が必要。

土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)

建物が壊され、住民の生命・身体に著しい危害が生じるおそれがある区域。<警戒区域より危険>。建物の構造規制もかかる。ここにいる場合は必ず立ち退き避難。

※ 区域の指定がない場所でも土砂災害は起きます。 調査がまだ済んでいない場所もあります。「白い=安全」ではありません

4. 自宅を調べる — 5分でできます

  1. 「重ねるハザードマップ」を開く 国土交通省のサイト。全国どこでも、洪水・土砂災害・津波・高潮をまとめて見られます。
  2. 住所を入れる 自宅、職場、子どもの学校、よく行く場所。1か所だけで終わらせないのがコツです。
  3. 災害の種類を切り替える 洪水では白でも、土砂災害では黄色——ということが普通にあります。必ず全部見てください。
  4. 色を控えておく 「洪水0.5〜3m/土砂なし」のように、ひとことメモで十分。家族と共有しておきます。

5. 有田地方で気をつけたいこと

🌊 有田川の氾濫

有田川は流域が広く、上流に降った雨が時間差で下流に到達します。 自分の家の上で雨がやんでも、川はこれから上がることがあります。

⛰️ 土砂災害

山あいの集落や、みかん畑の斜面に近い住宅は土砂災害警戒区域にかかっている場所があります。 崖のそばは、大雨の前に離れるのが基本です。

🌏 津波

有田市の沿岸部は南海トラフ地震による津波の想定区域があります。 揺れたら、警報を待たずに高い所へ。ハザードマップで避難先の高台を確認しておきます。

💡 調べたあとが本番です

色を知っただけでは、まだ半分です。「その色なら、どこへ、いつ逃げるか」—— そこまで決めて、はじめて備えになります。
時系列で決めておく方法は マイ・タイムラインの作り方 でまとめています。

出典: 国土交通省「重ねるハザードマップ」/各自治体のハザードマップ/ 気象庁「キキクル」。浸水深の影響に関する記述は国土交通省・自治体の一般的な注意喚起に基づきます。